4年ぶりにロンドン。

2008年1月25日(金)ロンドン上陸7周年記念 ~その8

マイクの言われたとおりに家の鍵を替え、ジョンとはコンタクトを取るべからず電話はなるべく留守番電話にしておく。

私たちの留守中に何度か家に来た気配がする。留守電にも何度かメッセージが入っていた。とりあえず全部無視していた。

2週間に一度ジョンはレターを取りにやってくる。
今度来るのは来週だ。その時はどう対応すればいいんだろう。。

仕事もフルタイムで働くようになり忙しさに紛れマイクが来てパニクった事を忘れかけていたある晩、電話のベルが普通に鳴りうっかり受話器を取ってしまった。

その電話にはジョンの声が。
なんだか怒ってブツブツ言っている。
そして来週取りに来るはずのレターを今週末に取りに行くという内容だった。
それと、そのFLATを売ることになったので人を連れて行くからよろしく。と。

え?いきなりFORセール?この家?いつの間に?売っていいの?

まだジョンはテナントでこの家を購入したわけではないはず。
それにうちらだって1年契約したじゃん。マイクが来るまではの話だけど。。売りに出すことは不可能。となると一体・・・

私の余計な心配が旦那にまで飛び火した。
ジョニーが人を連れてくると言ったのはただの口実で、調査が入ったのに気付き何らかの証拠隠滅を謀ろうとして、電話をしてきたんだ。

そして、荷物をすべて持ち運び、私たちも消されてしまうのか・・テムズにどぼーんか?!・・・なんて想像したりした。

単にテレビの見過ぎかもしれないが、私たちの想像は脹らみ不安の種をたくさん心に植え付けていった。

怒っている巨体の黒人ジョニーがやってくる。

その土曜日の夜。
何度も電話が鳴り響くごとに心臓がドキドキする。

こんなに恐怖を覚えなくてもいいかもしれない。
溜まったレターをさらっと渡し、売却する人に部屋をちらりと見せれば終わり。
でも、マイクの言葉「裁判・警察・・・」で余裕が無くなってしまった。

そんな余裕のない心に電話の音が鳴り響く。

何度も何度もジリリリリリーー。ジリリリリーーーー。

もうこうなったら現実逃避で何も聞かなかったことにしよう。

誰も来ないし、何もなかった。完全に無視。考えたってしょうがない。

マイクの言うとおりにしていれば何とかしてくれるだろう。

とりあえず、なるようになれ!

つづく・・・